実は逆効果？うがい薬、なんとなく選んでいませんか？
日常的に使っていたうがい薬が、実は喉の抵抗力を弱めていたのかも…という私の失敗を紹介します。
今回、家族全員が「インフルエンザ」に感染するというピンチを経験し、改めて「うがい習慣」と「うがい薬の選び方」を見直すことにしました。
結論として、
うがい薬は3種類あり、殺菌・消毒、消炎・鎮痛、日常の口腔ケアタイプの機能を使い分ける必要があります。
うがいは、口から入るウイルス・細菌・花粉の除去に効果があり、風邪予防やアレルギー対策として重要です。
うがい薬は、目的に合ったものを使うことで効果をプラスするために使用します。 今回は薬剤師さんに相談した内容をまとめました。
もくじ
1.うがい薬の種類と選び方
ドラッグストアで購入できるうがい薬は、主に第3類医薬品に分類され、
刺激が比較的弱く、安全性の高い成分が特徴です。
主に３タイプに分かれます。下記がイメージ図です。
日常の口腔ケアタイプと消炎・鎮痛タイプは両方の成分が入っているものもあり、円を重ねています。
■ 用途と主成分
- 殺菌・消毒タイプ
主成分：ポビドンヨード（PVP-I）
特徴：広範囲の細菌・ウイルスに効果。風邪・感染症予防向き。 - 消炎・鎮痛タイプ
主成分：アズレンスルホン酸ナトリウム
特徴：喉の炎症を鎮め、痛みや腫れを和らげる。 - 日常の口腔ケアタイプ
主成分：セチルピリジニウム塩化物（CPC）
特徴：穏やかな殺菌作用と口臭予防に適する。
2.私の失敗：うがい薬の“用途違い”が喉に逆効果
私はうがい薬が3タイプあることを知らず、、、
ヨードの入った強力な殺菌タイプのうがい薬を毎日毎回、習慣的に使っていました。
非常に殺菌力がつよいため、予防しているつもりが、必要な常在菌まで除去してした可能性があります。
喉の粘膜に刺激を与え続け、抵抗力の低下を招くことがあると、後からしりました。
「喉が乾燥しやすい」「少しの刺激でイガイガする…」と感じていたのは、そのせいだったのかもしれません。
やはり、うがい薬の成分と用途の違いを理解することが大切と痛感しました。
3.素朴な疑問：うがい薬は濃い方がよい？口内炎に効くのはどれ？
疑問１：うがい薬は濃い方がよい？ 濃いほうが効果があると期待して濃くしてしまいがちです。
こたえ：適切な濃度にする必要があります。濃すぎるとかえって刺激を与えてのどの粘膜を気づ付けてしまうことがあります。
疑問２：口内炎に効くのはどれ？
こたえ：口内炎の初期症状（痛み、違和感）の緩和には、消炎・鎮痛タイプのうがい薬が適しています。
口内炎はホントに痛いですよね。長引くときは医療機関を受診しないとですね。
疑問３：うがい後すぐに、口の中をゆすいでもよい？
こたえ：消炎・鎮痛タイプのアズレン（アズレンスルホン酸ナトリウム）は、のどの炎症部分に触れた時点で働くので、すぐゆすいでOK。
一方、殺菌・消毒タイプは「成分を粘膜に長くとどめて効果を出す」仕組みなので、ゆすがない方がよいです。３０分位開けたほうが良いです。
4.選ぶとき・使うときの注意点
ここでは一般的な注意点を記載します。詳細は個々の製品の説明を確認してください。
〇選定時の注意点
選定のイメージをつかむためにフローを作成しました。
日常的に使用する場合は、CPC（セチルピリジニウム塩化物）の入ったうがい薬で、のどの細菌やウイルス量を減らすことができます。
広範囲の菌やウィルスに対して、強力に殺菌したい場合、ヨード系のうがい薬で、大勢が集まったところに行った後、プールの後、風邪の初期など、一時的に使用する場合に効果的です。
炎症をしずめ、腫れや痛みを和らげる場合は、アズレン（アズレンスルホン酸ナトリウム）の入ったものを使います。
〇使用時の注意点
① 殺菌・消毒タイプ
- 甲状腺疾患のある人、妊娠中は医師に相談してください→主成分にヨードを含むからです。
- 長期使用・頻回使用は避ける→必要な常在菌まで殺菌してしまいます。
- 色が付くため、衣類や洗面台への付着。歯の色素沈着に注意→すぐに水で洗い流せば大丈夫です。
- ヨードアレルギーがある場合は使用不可→医師に相談してください。
② 消炎・鎮痛タイプ
- 殺菌力は弱く、強い感染症対策には不向き→じつは、予防目的としては機能不足です。
- 希釈方法を守らないと効果が低下→分量に注意が必要なの、プッシュタイプが使いやすいです。
- 炎症が続く場合は受診を→医療的な処置が必要な場合は、医師に見せることが必要です。
- 即効性は期待できず「炎症を和らげる」目的で使用
③ 日常の口腔ケアタイプ
- 長時間のうがいは粘膜の乾燥につながる→粘膜を過度に取り去ってしまうことがあるためです。
- 口臭ケア向けの製品が多く、喉の痛みには限定的
- 使いすぎは逆効果
- 子ども用は「低刺激」「誤飲防止」を確認→フルーツ味付きのものが便利。
5.オススメのうがい薬
私が実際に使ってみて、使いやすかったものを列挙します。とくにオススメなものをマーカーでラインを引いておきます。
① 殺菌・消毒タイプ
・イソジン うがい薬：ポビドンヨード配合。殺菌・消毒向き。
・イソジン うがい薬 C：原液で使えて便利。
・イソジン うがい薬 P：マイルドな風味で、刺激が少ない。←オススメ フルーティーな香りがあり、とにかく刺激が少ないのがポイントです。
・健栄うがい薬：定番のポビドンヨードタイプ。
・うがい薬 PI（昭和製薬）：PVPI（ポビドンヨード）300 mLでコスパ重視。
②消炎・鎮痛タイプ
・浅田飴 AZうがい薬 ←オススメ うがい後にスーとした感じがあり、スッキリ感があるのがポイントです。
・パブロンうがい薬AZ
③ 日常の口腔ケアタイプ
・健栄うがい薬 （CPC + アズレン） ←オススメ さわやかなメントールで、後味がさわやか。日常的に使いやすいのがポイント。
・浅田飴 うがい薬 W（CPC + アズレン）
・イソジン クリア うがい薬 A（CPC + グリチルリチン酸）
まとめ
・うがいはウイルス・細菌・花粉の除去に効果的
・「殺菌・消毒」「消炎・鎮痛」「日常の口腔ケア」の3タイプを使い分ける
・タイプごとに選び方と注意点が異なるので注意
・使う前に、成分・用途・使用方法を確認する
自分の喉の状態に合ったうがい薬を選ぶことが、健康を守る一番の近道です。
毎日のうがい習慣を見直し、しっかり風邪やインフルエンザを予防していきましょう。
